英国ファッション協会（British Fashion Council）がロンドンファッションウィークをスタートしてから約40年が経つが、蔓延する新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2020年6月12日からを予定していたロンドンメンズファッションウィークの代わりに、メンズとウィメンズを合わせたファッションウィークがデジタル上で開催されることが発表された。
このバーチャルイベントは、インタビューやポッドキャスト、デザイナーダイアリー、ウェビナー、デジタルショールームの公開など、多様なコンテンツで展開され、誰でも見ることができる。
BFC最高経営責任者のキャロライン・ラッシュは、「変化し、協力して革新していくためには、未来を見据えることが重要です」とコメント。
続けて、「私たちはロンドンファッションウィークを、ファッションだけでなく、社会やアイデンティティ、文化への影響をもつプラットフォームと考えています。現在のパンデミックにより、私たちが住む社会についてや、これを乗り越えたときにどのように生きていきたいか、どのようなビジネスをしたいのかについて深く考えるようになりました。この危機的状況の裏には、サステナビリティやクリエイティビティを追い求め、皆さんが価値を見出し、敬い、大切にしたいと思うものを生み出すという希望もあります。文化的なプラットフォームを作ることで、現代のニーズにフィットするデジタルイノベーションを適応し、未来にむけてグローバルな発表の場を生み出しているのです。デザイナーは彼らのストーリーをシェアすることができ、より広いグローバルなコミュニティにコレクションを発信することができます。この辛い状況のなかで、パーソナルな視点やインスピレーションを見つけてもらいたいです。それが英国ファッションです」と熱意を語った。
しかし、今回のメンズとウィメンズの結合が、2020年9月に予定しているロンドンファッションウィークの中止を意味しているわけではない。その代わり、この新しい試みは過酷なスケジュールのなかで働くデザイナーの柔軟性を助長するものとなる。
UK版「エル」のファッションフィーチャーエディターのサラ・マカルピンは今回のデジタル移行について、「ブランドにとって新しいモデルをテストし、顧客と本当の意味で繋がるにはどうすべきかを考える興味深い機会になると思います。もちろん挑戦的な試みだとは思いますが、すでに新しくエキサイティングな方法を使い、デジタル上で顧客と繋がりを作るデザイナーはいます。『アレキサンダー・マックイーン』はYouTubeで制作の裏側を見せるシリーズをスタートし、『ケネス・イゼ』は制作プロセスの様子をシェアし、サステナビリティにスポットライトを当て、#KennethLovesYouというハッシュタグをつけてコーディネートをシェアするようフォロワーに呼びかけています」と話している。
ここ数シーズン、サステナビリティの面でファッションウィークへの批判が絶えない。環境に有害な行動やファッションブランドにとって効果的でないビジネスモデルを推進していると言われている。
上海ファッションウィークは、3月に早速全てのショーをオンライン上で行った。ファッションショーのデジタル移行は、このような問題の解決策になるかもしれない。
ただ、ファッショニスタたちの個性的なオフランウェイスタイルが見られないことだけ残念。
（From: ELLE UK）
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