日々身に纏(まと)い、ときめきを与えてくれるファッションだからこそ、できるだけ誰も/何も傷つけずに服を着て楽しみたいと思う。「エシカルファッション」とは、服を取り巻くものごとと自分自身がつながり、服を大切にすることだと私は考える。
ネガティブな問題をポジティブに変えていく力があるのも、毎日を彩るファッションである。衣服を買うことを「消費」するというが、服を着て楽しむことは消えてなくなることではない。ファッションに絡む社会問題も、服を選ぶときのように「ときめき」を持ってひもといていく力が私たちにも求められているのではないだろうか。
留学を通して生まれた服へのまなざし
幼い頃からファッションデザイナーに憧れ、高校3年生時には官民協働留学奨学金制度である「トビタテ!留学JAPAN」の高校生コース1期生として、ロンドン芸術大学のプログラムに参加した。当時は世界へ羽ばたくデザイナーになる!という夢を持ってデザインを学びに行ったが、この留学での一番の気づきはデザインの手法を学ぶことではなく、服を通じて自分自身が社会とつながり、一消費者としてファッションを取り巻くさまざまな問題を「自分ごと」として考えるようになったことだった。

前回の記事で久米さんが、ファストファッションが途上国にもたらす社会問題を指摘していたが、私も「エシカル」や「サステナブル」に対する好奇心を持った大きなきっかけは、当時クローゼットの半分以上を占めていたファストファッションの裏側を知ったことだった。
留学から帰国した当初は海外の繊維工場における労働問題や環境問題の現状を踏まえ、エシカル協会が当時主催していた「フェアトレードコンシェルジュ講座」に通い、地元の畑にて無農薬でコットンを育ててみるなど、服が作られる過程のなかで、どこで誰が作っているのかを重要視するようになった。
日本の服づくりのいま
さらに、大学1年生の終わりに日本のアパレルブランドでアルバイトをするようになると、国内の繊維産業に目を向けるようになった。私が働いていたブランドでは、日本製のオリジナルテキスタイルから服作りを行い、100年続くブランドを目指していた。セールを一切行わず、作り手や服そのものに対して長く続く関係性を築くスタンスが、服に対する愛着を育むことになると学んだ。
今日の服作りは国内のみでは成り立たたず、多くのアパレルブランドが労働賃金の安い海外の繊維工場へシフトする中で、日本の繊維産業は衰退している。目に見えないコロナウイルスは繊維産業に新たに打撃を与えているという。
<新型コロナ拡大 県内経済に打撃 繊維業など 中国との流通停滞 /福井>
ファストファッションの誕生後、安価な輸入服が国内に流通したこと、また日本の少子高齢化もあいまって国内工場の担い手が不足したことにより、日本の服作りの状況は深刻だ。

グローバルに発展したファッションビジネスが途上国をはじめとする世界だけでなく、国内の問題にも関係し、日々身に纏う衣服が、どこで、誰に、どんなふうに、作られているのか気にしなくても服を楽しめるようになった。つまり、あらゆる面でつながりが断たれているのが、今の服を取り巻く現状ではないだろうか。
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April 10, 2020 at 04:00PM
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エシカルファッションはつながりを纏うということ | Social Good Opinion | 大塚桃奈 - 毎日新聞
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