環境に負荷をかけない素材やビジネスモデルを開発するのと同様に、最上の一着を何年も着続けることもサステナブルの解釈といえよう。ミニマムで洗練されたデザインに定評のあるジル サンダーが手がける、サステナブルな素材と実用性にタイムレスなデザインが加わったジル サンダー+からは、その哲学がコレクションを通して伝わってくる。
PHOTOGRAPH BY YUKI KUMAGAI
TEXT BY JUNYA HASEGAWA @america
STYLING BY TAICHI SUMURA
HAIR & MAKE BY KATSUYOSHI KOJIMA @TRON
WOMAN/ショートチュニック¥88,000、オーヴァーオールドレス¥115,000、ハット¥38,000、MAN/オーヴァーオール¥156,000、ハット¥38,000、シューズ¥149,000(ジル サンダー+ バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー)
ファッションジャーナリストとして活躍していたジル・サンダーが、1968年にドイツのハンブルグにオープンした同名のブティックを起源とするジル サンダー。
そのミニマルで洗練されたデザインで、1990年代以降のファッション界を牽引してきた。たび重なるデザイナーの交代を経て2017年にクリエイティヴディレクターに就任したルーシー&ルーク メイヤー夫妻によって、ブランドのアイデンティティを取り戻し、同時にアートやストリートカルチャーなどのエッセンスを取り入れた華麗なモダナイズを果たしている。
19年秋冬から満を持してスタートしたジル サンダー+は、着心地のよさと実用性を追求しながら、メインコレクションを補う目的で誕生した。
山、海、カントリーサイドなどでの「都会から抜け出した暮らし」というそのコンセプトは、スイスとカナダに生まれ、ともにスキーやスノーボード、ハイキングなどを楽しみ、自然のなかで過ごしてきたメイヤー夫妻のライフスタイルと強く結びついたものだ。
タイムレスなデザインとサステナブルな素材、そして実用性を兼ね備えたアイテムは、ほぼすべてがユニセックス。また「+」には専門分野に特化したパートナーシップという意味もあり、夫妻の専門的かつ継続的な研究とノウハウを高く評価する企業とのコラボレーションにより誕生した製品も少なくない。
ラグジュアリーな感性と寛ぎをもたらす素材やシルエット、そして誠実さと確かな信頼性を兼ね備えたデザイン哲学が融合したコレクションには、ナチュラルで心地よいムードが静かに漂う。
※シリーズ「WIRED METHOD」のバックナンバーはこちら。
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May 31, 2020 at 09:00AM
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