
「最近は取材されることがすごく増えてきました」と語るのは、サステナブル・ビジネス・マガジン『オルタナ』編集長の森摂氏である。同誌の創刊は2007年3月。今からちょうど13年前にあたる。 「いま世界はサステナビリティを軸に動いています」と語る森氏によれば、日本と世界の感覚はかなり違う。 「たとえばNGOは、日本ではボランティア的な非営利団体を指すに過ぎず、社会に大きな影響力を持つ存在だと認められていません。でも海外では企業や政府、メディアよりも、NGOの方が信頼されている」 森氏のセミナー資料を覗くと、世界的な統計の図表があり、その数値には少なからず驚く。たとえば米国のミレニアル以降の世代は、87%が「ブランドに『誠実さ』を求め」ているらしい。つまり、ファッションブランドはもっとソーシャル(社会的)な意味で努力すべきであると、20代の若者までが考えているのだ。 「人種等に関する偏見的な動きや、生産のための環境が劣悪だ、などの悪い事実が発覚すると、またたく間にSNSで拡散されて、大きな不買運動につながる。一つの企業がつぶれかねない。だからみんなCSRを大切にするんです」 CSRとはcorporate social responsibilityの略で、企業の社会的責任のこと。森氏によればCSRをかえりみないグローバル企業はありえない。そう、日本ではコンプライアンスが叫ばれてはいるものの、「法律さえ守ればOK」なニュアンス。しかし、この法令順守という邦訳じたいも、間違っているのだという。 「真のコンプライアンスとは、社会や地域と対話し、社会課題を解決するために企業努力を重ね、社会との調和をはかっていくこと。それがCSRでもある」(『オルタナ』30号) かっこよければよかったファッションの世界でさえ、これからはCSRを果たさなければ、顧客の信頼を失い、投資家もいなくなり、良い人材も集まらなくなる。大量廃棄など反エコだったファッション業界。いったい今後どうすればよいだろう? 「これからの社会が求めているのは(1)気候変動(2)ダイバーシティ(3)人権(4)アニマルウェルフェア(動物福祉)の4つへの対応。サステナビリティな社会を目指すには、このすべてがさらに重要になってきますよね。ファッションの世界でいえば、H&Mが持続可能な素材の使用を大幅に増やし、日本でもオーダースーツのファブリック トウキョウが、店頭で回収した生地を再生し、すべての素材でサステナブルを目指すなど、さまざまな取り組みがあります。またアディダスは廃プラスチックによるアップサイクル商品を開発。これは海洋保護団体との協業ですが、そうしたNGOと手を組むプロジェクトが今後増えるのではないかと予想しています」 たまたま借りたオフィスの建物は、木を伐採しないためのR屋根の建築。そんな気持ちの良いベランダで、森氏はきらきらした目で語るのだ。 アディダスは、海洋環境保護団体『パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ』と組み、砂浜や沿岸部で回収した廃棄プラスチックをアップサイクルした特別な素材で作られたトレーニングウエアやスニーカーなどのコレクション「アディダス×パーレイ」を発表。また世界海洋デーに合わせ、海洋プラスチック汚染に対するグローバルムーブメント「ラン フォー オーシャンズ」を開催。登録ランナーが1km走るごとに1ドルが海洋教育プログラムに寄付された。 PROFILE 森 摂(オルタナ 代表取締役『オルタナ』編集長) 東京外国語大学スペイン語学科卒業後、日本経済新聞社入社。1987年環境庁担当として国連の東京会議を取材。日本初のサステナビリティ記事を執筆。翌年~2001年まで日本経済新聞ロサンゼルス支局長。02年退社し、06年オルタナ設立。07年環境とCSRと「志」のビジネス誌『オルタナ』創刊。武蔵野大学大学院環境研究科客員教授も務める。 Photos エリック・ミコット Eric MicottoWords 日置千弓 Chiyumi Hioki
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June 07, 2020 at 04:28AM
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