東京都写真美術館で展覧会「森山大道の東京 ongoing」が開催されている。会期は2020年9月22日まで。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止を目的とした、政府による緊急事態宣言と東京都による自粛要請から同館は長らく休館していたが、6月2日より再開。会期を延長しての展示が決定した「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」展とともに、2つの展覧会が開催されている。このほど、展示室の様子や企画内容について伺う機会を得た。展覧会場の様子とともにお伝えしていきたい。
森山大道の東京 ongoing
2019年のハッセルブラッド国際写真賞後、国内では初となる個展。テーマは展覧会タイトルの副題にもあるとおり、「ongoing」すなわち、「進行中・進化し続ける」となっている。東京の街を舞台に森山氏が捉えてきた作品が、過去のものから近年のものまで紹介されている。
展示室の構成は大きく3つのセクションに分けられている。作品は、『記録』シリーズのほか、『Pretty Woman』、『K』、『東京ブギウギ』のほか、「三沢の犬」といった、同氏の代名詞的な作品の展示もある。展示室中央のもっとも大きな空間をとって構成されているセクションには、「ongoing」として、まさに森山氏の現在を示す2020年の最新作を含めた作品が展示されている。
展示室に入ると、すぐ左手側に奥に向かって『Lips』と『にっぽん劇場写真帖』の作品がならぶ。最奥に配されているのは『写真よさようなら』からのシルクスクリーンによる作品だ。
直近の作品を中心に展示作品が構成されている空間。森山氏のライフワークとも位置づけられている『記録』シリーズの作品が中心となっている。
『記録』誌は、1972年から1973年にかけて5号まで発行されたものの、一時中断。長澤章生氏の呼びかけによって、2006年に復刊し、現在も刊行が続けられているシリーズだ。1日で撮影した写真のみで1冊を構成したりといった実験的な試みもなされているものもある。
壁面には16点×3列で、作品が整然と配されている。
手前にあるテーブル型の展示ケースには、『記録』誌の製作にあたってプリントされた1冊分の写真が収められている。大量のプリントが重なって展示されているが、これは会期中に定期的に中の配置を変えて展示していく予定だという。これにより、来館の度に新しい気づきや発見にあふれる展示にしていきたい、という意図が込められている。
また、このテーブル型の展示ケースは、取材日の段階では2つのみとなっていたが、今後もう1つ追加される予定だという。これは、会期中に次の『記録』誌が完成するため。最新刊で使用されたプリントが、会期中に増設されるという趣向だ。まさに森山氏の「現在」を目のあたりにできる、というわけだ。会期中の展示替えというのは決して珍しい取り組みではないが、作家の“現在そのもの”が開催中の展覧会に反映されるため、まさにタイトルに掲げているテーマを体感できる“しかけ”となっているのだ。
モノクロ作品側から目を反対側に向けると、一転して鮮やかなカラープリントの作品群が飛びこんでくる。
こちらも18点×3列で作品が壁一面に整然と並べられている。これら作品も「ongoing」を示すものとして、森山氏のカラーによる視点を示す作品展示となっている。
時間や場所、被写体は様々だが、中にはモノクロの作品群と対をなすようなイメージのものもあり、つい対応関係や違いを考えさせられてしまう。
液晶モニターを用いた作品展示もある。作品は『Tights』シリーズのもの。透過光により白と黒のコントラストが強調されて目に映る。視認した際は網タイツをはいた女性の脚部であることがわかるものの、見続けているうちに幾何学模様のように見えてくる感覚があった。
図書館は予約制で利用が可能に
東京都写真美術館では、4階に図書室を併設している。新型コロナウィルス感染症の感染拡大抑制対策として、現状では予約制となっている。もともと主として閉架式ではあるが、閲覧室に置かれていた図録のアーカイブや雑誌の最新号なども現在はすべて書庫内に。貸し出し後の書籍は、劣化等を考慮して直接消毒するわけにはいかない。そこで利用後の書籍は数日間の隔離を行なっているのだという。
このように入館制限は設けられているものの、研究目的の利用者などの姿が見られるようになってきているとの話を聞くことができた。
このほか、開催中の展覧会関連書籍・写真集も蔵書しているため、例えば森山大道氏の過去の写真集を閲覧したい、といった場合は、利用冊数の制限内で請求に応じることができるという。こうした点は、図書室を併設している同美術館ならではの利点だといえるだろう。
展示作品だけでなく、作家や作品をより掘り下げて知ることができるので、会場来訪時に予約の空きを確認してみてはいかがだろうか。
展覧会概要
森山大道の東京 ongoing
会期:2020年6月2日〜2020年9月22日
写真とファッション 90年代以降の関係性を探る
会期:2020年7月19日まで
休館日
毎週月曜日
月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌平日休館。8月10日、9月21日は開館、8月11日は休館
新型コロナウイルス感染症対策
・来館者全員に体温測定を実施している。37.5度以上の発熱が確認された場合やマスクを着用していない場合、入館できない場合がある
・入口は1階メインエントランスと西口のみに限定(2階南口は閉鎖)
・木・金曜日の夜間開館は休止
・図書室の利用は事前予約が必要
※他の注意事項については、別途“こちら”に詳しい案内が記載されている
"ファッション" - Google ニュース
June 11, 2020 at 04:00AM
https://ift.tt/2BOmBw0
「森山大道の東京 ongoing」・「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」展 - デジカメ Watch
"ファッション" - Google ニュース
https://ift.tt/2CF8JBl
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "「森山大道の東京 ongoing」・「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」展 - デジカメ Watch"
Post a Comment