■連載/阿部純子のトレンド探検隊
「全商品リサイクル活動」「ダウンリサイクル活動」をさらに拡大した取り組み
ユニクロでは、サステナブル素材の採用や、生産工程での水などの資源使用量削減を通じて、サステナブルな商品作りを進めている。そのひとつが、販売後も服を捨てずに再利用できるビジネスモデルだ。
ユニクロでは服を服のまま再利用(REUSE)する、服を新しく生まれ変わらせ新しい商品として販売する循環型リサイクル(RECYCLE)、この2つを戦略的領域として掲げている。客と共に服を活かすこれらの取り組みは、2006年から世界で展開している「全商品リサイクル活動」と、昨年日本でスタートした「ダウンリサイクルプロジェクト」がある。
「全商品リサイクル活動」は、不要になった服を回収し、国連難民高等弁務官事務所や世界のNGO、NPOとの協力のもと、難民キャンプや被災地、自然災害の被害者といった服を必要としている人々に届けている。昨年8月時点での累計衣料寄贈実績は、世界72の国と地域で合計3657万点におよぶ。また、昨年から日本で実施している「ダウンリサイクルプロジェクト」は、今年3月末時点で寄贈数が62万点となった。
これらのリサイクル活動をさらに大きく進化させる「RE.UNIQLO」が今秋より始動する。
この取り組みの一環として、昨年日本国内で回収した 62万着のダウン商品を再生・再利用した新商品第一弾「リサイクル ダウンジャケット」を11月 2日より発売する。さらに、ダウン商品の回収活動をグローバルに拡大し、9月下旬から日本を含む世界 21の国と地域 で順次、回収キャンペーンを開始する。
「循環型リサイクルモデルをお客様と共に作る、グローバル規模の活動をRE.UNIQLOと名付け始めることになった。ユニクロの服を、再び(RE)ユニクロの服として繰り返し使う、あるいはユニクロの服を新しいユニクロの服として生まれ変わらせる。ユニクロの服は捨てることがない、究極の循環型リサイクルモデルといえる。
店舗での回収からリユース、リサイクルまでを自社のサプライチェーンで行うことで、預かった服を確実に活用し、商品のライフサイクルを通じて余分な廃棄物、CO2排出量、資源使用量を削減できるのではないかと思う」(ファーストリテイリング ソーシャルコミュニケーションチーム統括部長 遠藤真廣氏)
「ダウンリサイクルプロジェクト」初の商品化
昨年9月から日本のユニクロショップで回収したダウン商品62万点のダウンとフェザーを100%使用した、「ダウンリサイクルプロジェクト」初の商品となる「リサイクル ダウンジャケット」(7990円・税別)が、11月2日より一部店舗(国内67店舗)と海外22の国と地域、オンラインにて販売する。
東レが開発した新技術により、オートメーションでダウンとフェザーを分別することで、一度に大量のダウンを分別、リサイクルすることが可能になった。
回収したダウン、フェザーは洗浄され、不純物や不必要な油脂を除去。ピュアなダウンと同じような基準をクリアした清潔なリサイクルダウンに生まれ変わる。下記の画像左がピュアのダウン、右がリサイクルダウンだが、見た目や質感はピュアと遜色がない。
「リサイクル ダウンジャケット」は、クリストフ・ルメール氏率いるパリR&D(リサーチ&ディベロップメント)センターのデザインチームによるUniqlo Uの商品となる。
「ルメール氏と話を進める中で、一過性ではなく長く着用できるデザインである必要があると考えた。ノーカラーのVネックで、性別を問わないジェンダーレス商品として開発。アウターとしても、寒い時期は中に着てもOKで、長い期間着られる。
リサイクルされたダウンとフェザーを100%使用したダウンジャケットで、不要になればさらにこちらもリサイクルができる」(ユニクロ グローバル商品本部MD 部長 齋藤源太郎氏)
「リサイクル ダウンジャケット」の内側には、この商品がリサイクルダウンを100%使用していること、不要になった際は再びリサイクルが可能ということが記載されている。
今秋から「ダウンリサイクルプロジェクト」回収キャンペーンをグローバルに拡大。日本では9月25日より、持ちこんだダウン商品と引き換えに500円のデジタルクーポンを発行する、クーポンキャンペーンも実施してさらなる回収協力を求める。さらに今後はダウン以外の商品でもリユースを検討していくという。
「コロナ禍によって気づかされたのが、社会というプラットフォームが崩壊すると生活も経済も文化もすべて崩壊してしまうということ。社会プラットフォームの維持に貢献するひとつとして、RE.UNIQLOが活かされるのではないかと考えている。
RE.UNIQLOでリサイクルした商品でも、ユニクロの高品質、高機能、リーズナブルプライスを実現しなければならない。リサイクルに関わるプロセスは高コストだが、リノベーションを起こすことで、RE.UNIQLOでもサステナブル商品でも通常のユニクロ商品と同じクオリティとプライスを実現していく」(遠藤氏)
【AJの読み】ブランド不問で回収してくれるとさらに協力しやすいのだが
ファッション業界もサステナビリティを意識した経営姿勢がマストとなっている状況で、多くのブランドで不要になった衣類の回収サービスを実施している。中でも2006年にいち早く「全商品リサイクル活動」を開始したユニクロは先駆的な存在といえる。
「H&M」「ZARA」「ライトオン」などのように、ブランド不問で回収しているファッションブランドがあるが、ユニクロはユニクロ、ジーユー商品のみ。他ブランドは服以外の素材にも再利用し、ユニクロはあくまで服として再利用、もしくは再生にこだわるという違いがあるのだろうが、店舗数の多いユニクロで、ブランド不問で回収できるようになったらさらに提供しやすくなると思うのだが。
文/阿部純子
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September 29, 2020 at 08:37AM
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