Digital Gets Personal
「寄り添う」はデジタルから生まれる。

───デジタルと聞くと、ファッションとは遠い世界のことのように思えてしまいます。
Deloitte Digital(以下、D):例えば10年前に、Appleが発売した腕時計をセレブが身につけているなんていうことは想像もつかなかったかもしれません。いまやAppleがエルメスとコラボレーションしApple Watchを発売しているように、デジタルがファッションの新しい領域を徐々に広げつつあります。
───新しい領域とは、どういうことですか?
D:Apple Watchは、腕につけることによって、心拍数や呼吸などを通じて心身の健康状況を把握することができます。「腕時計」という時間を知るアクセサリーとしての役割だけではなく、自分が気づかなかった「自分」を知るためのウェアラブルデバイスでもあるのです。

───Apple Watchがこれまでの腕時計と違うことはわかりますが、具体的にどんな変化を生活に及ぼすのでしょうか。
D:最近のコスメの世界では、肌の状態に合わせてファンデーションを処方してくれるサービスがありますよね。もしかしたら将来的には睡眠状況や体調から、もっと正確に自分に最適なコスメを手に入れられるかもしれません。
もちろん、Apple Watchだと、計測できるデータは限られています。今開発されているウェアラブルパジャマのような仕組みが広がっていけば、一日中身につける人の健康状態を把握できるようになります。そうすれば、コスメやファッションはもっと自分自身に寄り添ってくれるようになるはずです。
Remotely Fashionable
テレワーク時代の新しい装い。

───テレワークが一般化しつつある現在だと、コスメや服に気を使うことが少なくなってしまうような気もしています。
D:2020年は、社会のデジタル化が大きく進むタイミングになりました。「会う」ということがデジタル化した今、ファッションのあり方も大きく変わるでしょう。ただ、テレワークでもファッションは重要になっているように思えます。例えば、家で長い時間を過ごすための快適さと、相手に失礼がないような清潔さが両立した服装が求められています。「家で働く」ことによって、プライベートと仕事の境界が交わりつつある状況では、新しい装いが求められるのです。
───小さな画面のなかでは、ファッションで個性を発揮することが難しくなりつつあるのではないでしょうか。
D:たしかに自宅から自由には出づらい現在の状況では、どうしても外向けの装いがもつ重要度は下がるでしょう。一方で、すべてがテレワークで済んでしまうわけではありませんよね。状況が変われば、会話から生まれるひらめきが必要なブレストや、信頼を築くための挨拶など、実際に会う機会も徐々に増えてくるはずです。そうなったとき、「人と会う」というイベントは、以前よりも重要で特別なものになってきます。欧米では、パーティーのようなハレの日にドレスを着る習慣がありますが、日本でも「よそ行き」の服装の重要度がもっと上がる可能性があります。人と会うことの意義が明確になれば、それに合わせてファッションの多様化も進んでいくでしょう。
Digital Self
「なりたい自分」とデジタルで出会える。

───友達や同僚と会えないと、どうしても新しい刺激が欲しくなってきます。
D:もしかしたら、「会う」ということもデジタル上で可能になってきているのかもしれません。オンラインで友達とつながることができる『あつまれ、どうぶつの森』というゲームでは、ヴァレンティノやアナ スイといったファッションブランドが、2020年の春夏コレクションをキャラクターの衣装として公開していました。また、ルイ・ヴィトンやグッチなども、ゲーム上でキャラクターの衣装が購入できる取り組みを始めています。例えばグッチは6月に、世界中で人気のモバイルテニスゲーム「Tennis Clash」とのコラボレーションを発表、ルイ・ヴィトンは人気オンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」で使用可能なキャラクターの衣装だけでなく、同作をモチーフにした実際のコレクションを発表しています。
友達とゲームをプレイしているなかで、「あの服カッコイイな……」と思うような体験が、これからも増えていくでしょう。自分が知らないファッションとの出合いの場は、リアルの世界からデジタルに移行していく可能性もあります。ある場所がファッションの発信地と呼ばれているように、特定のゲームをプレイすれば自分の「なりたい」が見つかるようになるかもしれません。

───そういわれてみると、今起きていることが未来のファッションにつながっていくような気がしてきました。
D:今、社会が大きく変化するなかで、デジタルがファッションにも急速に浸透しつつあるのは間違いありません。そして、そこで起きていることは決して悲観的な変化だけではないと思います。新しい可能性が生まれつつあるのです。デジタルのエキスパートである私たちも、できることをもっと考えていきたいと思っています。
Photos: Kazuma Takigawa at perle management Model: emma at STARDUST Stylist: Shizuka Yoshida Hair: Shotaro at sense of humour Makeup: Toru Sakanishi at SIGNO Set Design: ROKKAN DESIGN Interview & Text: Shinya Yashiro Editors: Shizue Hamano, Airi Nakano Digital Producer: Terumi Kobayashi
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July 30, 2020 at 10:00PM
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