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ファッションの二次流通が、地球環境を救う!【今週のサステナTips】 - VOGUE JAPAN

Photo: Astrid Stawiarz / Getty Images for Parsons

古着を買うことや不要になった服を売ることは、環境保護のための立派なアクションだ。服は生産する際に大量の資源を消費するだけでなく、繊維くずや廃プラスチックなど産業廃棄物が環境を汚染する。また、日本だけでも年間100万トンもの衣料品が廃棄・焼却され、地球温暖化を進める一因となっている。2018年には、ラグジュアリーブランドが42億円相当の売れ残り商品を焼却処分したことが明らかとなり、ファッション業界全体が抱える「不都合な真実」に世界から厳しい目が向けられた。

従来の直線的なサプライチェーンから脱却し、循環型経済への移行が求められる中、近年、こうした衣類ロスを解決するソリューションとしてファッションの二次流通(リセール)に高い注目が集まっている。これまでブランド価値毀損への懸念からリセール市場を忌避してきた多くのラグジュアリーブランドも、これが状況打破の大きな突破口になると気づいたのだ。

というわけで今回は、急成長を遂げているファッションのリセール市場を牽引する、注目の5サイトを紹介しよう。

1. ラグジュアリー・リセールの急先鋒「The RealReal」。

Photo: Christian Vierig / Getty Images

ファッション業界の二次流通志向の潮流をつくったと言えるのが、ラグジュアリーブランドの中古品を扱うECサイト、ザ・リアルリアル(The RealReal)だ。2011年にアメリカで設立され、2017年にステラ マッカートニー(Stella McCartney)がパートナシップを締結したのを皮切りに、最近ではグッチ(GUCCI)バーバリー(BURBERRY)など数多くのメゾンとタッグを組み、驚異的なスピードで成長している。

本プラットフォームでは、シャネル(CHANEL)エルメス(HERMÈS)などの未使用品や状態の良い中古品を購入できるだけでなく、クローゼットに眠る不要な服やバッグ、アクセサリーなどを誰でも簡単に出品することができる。手続きも簡単だ。サイト上での査定を申し込み、プロダクトを送れば、あとはパートナー企業の鑑定と査定を待つだけ。無事出品が成立し売れれば、最大で販売価格の85%が返ってくる仕組みだ。2017年にはカイリー・ジェンナーが義姉コートニー・カーダシアンらと共にクローゼットの中身500点以上を出品したことでも話題となり、今では1億7千万人ものユーザーが利用している。

同社は、こうして既存の商品をグローバルなプラットフォームを経由して"循環”させることで、現在までに7億5600万Lの水と1610万キロ以上の二酸化炭素の排出を削減したと発表している。

2. 進化するファッションECサイト「Farfetch Second Life」。

Photo: Edward Berthelot / Getty Images

世界中のブティックが買い付けた3400以上のブランドの37万点を超える商品を扱うイギリス発のファッションECサイト、Farfetch(ファーフェッチ)も、昨年、リセール市場に参入している。「Farfetch Second Life」と名付けられたこのリセール事業は、セリーヌ(CELINE)フェンディ(FENDI)など、29のラグジュアリーブランドのバッグをユーザーから買い取り販売するというもの。現在はヨーロッパを中心に、マーケットを限定して展開している。申し込みは簡単で、商品の写真を送ると2営業日以内に査定額が提示され、金額に納得できれば商品を郵送する。買取金額は、ファーフェッチでの買い物に使用できるクレジットとして付与される。もう使わないバッグがあれば、ぜひワードローブのリフレッシュを兼ねて出品してみよう。

3. レディースとキッズの古着に特化した「thredUP」。

Photo: 123RF

アメリカ、サンフランシスコ発のthredUP(スレッドアップ)は、女性や子ども服の古着に特化したリセールサイトだ。2015年にはゴールドマン・サックス・インベストメント・パートナーズから96億円の資金調達をしたことでも話題となった。ミレニアル世代に絶大な人気を誇るヨガウェアブランド、ルルレモン(Lululemon)や、ジェイクルー(J. Crew)など3万5000以上のブランドを取り扱い、毎日4万5000着がサイト上にアップされる。

人気の秘密は、手軽に売買できる点と販売されているプロダクトの品質の高さだ。古着を売りたい人は、サイト上で専用のボックスを注文し、届いたボックスに詰めて送り返すだけ。こうして集められた古着は、工場で穴や汚れがないか、トレンドに合っているかなど細かくチェックされた後、規定を満たしたもののみが販売される。送られてきたもののうち50%程度しか実際には販売されないほど厳しい基準を設けることで、ユーザーの信用を勝ち取っているというわけだ。販売に至らなかった服はユーザーが希望すれば返送してもらうことができ、それ以外は、クッションの中綿などのリサイクルマテリアルとして活用されるという。

4. ラグジュアリー・ヴィンテージを狙うなら「Vestiaire Collective」。

Photo: Marc Piasecki / Getty Images

2009年にフランス・パリで設立された、Vestiaire Collective(ヴェスティエール・コレクティブ)は、世界50カ国に900万人を超えるユーザーを抱え、2万点を超えるラグジュアリー・ヴィンテージを扱う。日本を含め、イギリス、アメリカ、香港など世界各地に拠点を構えるため、プロダクトがどこの国から発送されるかも確認することができる。

創業者のファニー・モワゾンは、UK版『VOGUE』のインタビューで、「私のワードローブは本当に小さいんです。ファッション業界で働く人間にしてはすごく小さい!でも欲しい服に出会ったら、迷わず買います。だって着なくなったら売れるのですから」と語っている。ファッション業界の環境負荷を知れば知るほど購入を躊躇してしまいがちだが、モワゾンのように「循環させる」ことを前提に、着用後も商品価値の落ちないアイテムを吟味して購入することで、サステナブルにファッションを楽しめそうだ。

5. 世界最大のスニーカーマーケットプレイス「StockX」。

Photo: Streetstyleshooters / Getty Images

今年6月、世界初の「モノの株式市場」と呼ばれる「StockX(ストックX)」が日本に上陸した。スニーカーをはじめとするストリートファッションを得意とするこのCtoCプラットフォームは、高い真贋鑑定技術と圧倒的な出品量を誇り、世界のスニーカーヘッズから絶大な支持を得ている。

商品を出品すると、買い手と売り手が互いの希望額を提示し、希望が一致したところで落札される。その後商品は鑑定され、品質が保証され正規品と認められたものが購入者の手元に届き、売上金が支払われる仕組みだ。ナイキ(NIKE)シュプリーム(SUPREME)などのブランドを取り扱うほか、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のコラボアイテムなども高値で取引されている。

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Text: Mina Oba

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November 20, 2020 at 10:06AM
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