アートとファッションの関係は、草間彌生や村上隆がルイ・ヴィトンとコラボレーションした頃よりもさらに近づいている。両者が接近する理由は? アートとファッションの融合にチャレンジしているふたりに訊いた。
ファッションとアートは同じ!?
2019年11月にリニューアルした渋谷パルコに、『2G』という新しいタイプのスタジオがオープンした。なにが新しいかといえば、アート、ファッション、トイの3つが融合した店舗形態だ。アートギャラリーを運営するナンヅカ、ファッション・キュレーターの小木“POGGY“基史とデイトナ・インターナショナル、そしてフィギュアのBE@RBRICKで知られるメディコム・トイが手を組んだのだ。
『2G』以外でも、たとえばディオールのコレクション会場に空山基のロボットのオブジェが登場するなど、アートとファッションの距離が近くなっているように思える。ナンヅカ代表の南塚真史によれば、「かつては、商業的な活動をすると美術的な評価が下がるような保守的なところがアート界にはあった」とのことだ。けれども21世紀に入ってからルイ・ヴィトンと村上隆がコラボレートするなど、少しずつ流れが変わっている。南塚はこう分析する。
「最近はもっとアーティストがそういった取り組みに積極的で、商業的な活動をリスクだと思わなくなってきているように感じます。大衆を味方につけたいと考えるアーティストが増えていて、それにはインターネットによるグローバルな情報拡散のスピードとかボリュームが影響しているのでしょう。一部の富裕層やインテリによって守られていた壁が壊れて、若い人たちが格好いいと思うものの対象にアートが入ってきた。アーティストもそこが大事だと考えるようになっています。そういう流れのなかで(空山基をディオールで起用した)キム・ジョーンズみたいな人が出てきて、プロジェクトのなかでアートとファッションを融合させているのが大きいと思います」
小木“POGGY“基史は、ストリートファッションの視点でファッションとアートの接近を語った。
「スケーターとかグラフィティの人たちの視点がポイントなのかなと思っています。スケーターとかグラフィティのアーティストって、街中にステッカーを貼るんですよ。知ってる人は、あの人がここに来てるんだって見つけるけど、気にしていない人はまったくわからない。日本のファッションの人たちがランウェイばかり見ているうちに、全然見ていなかったところが盛り上がっていて、そこに向けてチャンネルを合わせよう、近づこうとしているように思えます。今、コレクション以外にファッションとアートとトイと音楽などを一緒にしたフェス的なイベントが多いんです。それはすごく盛り上がっていて、ファッションと他ジャンルの距離が近くなっている理由の一つだと思います」
インターネットとストリート・カルチャーの隆盛によって、アートとファッションが接近したという見解は実に興味深い。POGGYによれば、ナイキなどのスポーツブランドが若いスポーツ選手を発掘するような感覚でデザイナーを探して強力にサポートしているという。アートとファッションが接近しているだけでなく、スポーツや音楽など、あらゆる分野の垣根が低くなっているのが今という時代なのかもしれない。
PROFILE
南塚真史
1978年東京都生まれ。2005年、渋谷にコンテンポラリー・アートギャラリー「NANZUKA UNDERGROUND」を開設する。音楽やファッションなど幅広く交流することで現代アートの可能性を広げる。
小木“POGGY“基史
1976年北海道生まれ。1997年よりユナイテッドアローズに在籍、ユナイテッドアローズ&サンズを立ち上げる。2018年に独立し自身の会社を設立。昨年末『2G』の立ち上げにも参画し、ファッションディレクターを務めている。
写真・鶴岡義大 文・サトー・タケシ
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